コスパの高い防水スプレーの選び方と使い方をさがす

コロンブスの防水スプレー

雨の日は靴やカバンに防水スプレーを使います。防水スプレーの缶を見ていて、ふと、えらく古臭いデザインだな、これいつ買ったんだっけ?と思いました。なんとも昭和っぽいスプレー缶です。

最近の防水スプレーは、もっとイマドキの見た目で、水を弾くパワーも上がっていて、容量も増えて、値段も安くなってたりするんだろうか?(この缶は1,200円くらいで買った気がする)と、だんだん気になってきました。

自分、損してるかもしれないっすよね。

防水スプレーのメーカー

まず、現時点で売られている防水スプレーについて調べてみました。ざっくり3種類、昔から靴屋に置いてありそうな物、車用みたいな見た目の物、アウトドア向けの物がありました。

昔から靴屋に置いてありそうな物

靴屋…具体的にはABCマートやリーガルのレジ横に置いてありそうな物です。価格帯は1,500円前後。

車用みたいな見た目の物

カー用品店とかホームセンターにありそうなデザインのもの。見た目はイマドキっぽいですね。価格帯は500円前後で安い。

アウトドア向けの物

モンベルや好日山荘など、アウトドアウェアを扱う店でしか見かけないもの。LLBeanにも置いてあったような。ニクワックスは商品名で、メーカーは EVERNEW という所でした。

メーカーは6種類くらい

こうしてみると意外と少ないですね。元々シューケア用品を扱っていたメーカー(コロンブス、コロニル)、化学薬品系メーカー(3M、コニシボンド、ヘンケル)、アウトドア用品メーカー(EVERNEW)、の6種類でした。

化学薬品系のメーカーは中小規模だと他にもあるので、地方などに行くと知らないメーカーの物があるかもしれません。参入もしやすそうですね。

ちなみにヘンケルはドイツの老舗化学メーカーでした。140年前創業だそうです。
ヘンケルジャパン – http://www.henkel.co.jp/

防水スプレーの種類

大きく分けて3種類ありました。

  • フッ素系
  • シリコン系
  • 上2種類のハイブリッド

それぞれの特徴はこんな感じ。

効果 フッ素系 シリコン系
水を弾く
油を弾く
持続性
通気性を生かす ×
(ゴアテックスとかに使えない)
革に使える
(シミになる)
間違って吸い込むと… 危険😲 やや危険

CAPTAIN STAGで公開されているPDFを参考にしました。

フッ素系は繊維に付着して防水・防油効果を発揮するのに対し、シリコン系は繊維上に油膜を作るんだそうです。フッ素の方はこすれたりすると簡単に落ちちゃうそうですが、シリコンはしっかり張り付くので落ちず、効果が持続しやすいそうで。

ただし油膜のせいで生地の通気性がなくなってしまうので、靴なんかだと蒸れやすくなるし、透湿性を売りにしている機能性ウェア(ゴアテックスとか、モンベルのブリーズドライテックとか)に使うのはまずいらしいとのこと。質感もちょっと変わるそうです。

また、シリコンは「油膜」なので、油がつくと馴染んで溶けてしまうことから油汚れに弱いです。フッ素は「フッ素コート」という名前でキッチン家具から車の塗装まで使われるくらい弾くので、油にも強いとのこと(今回はスプレーなのですぐ落ちちゃいますが)

ハイブリッドは両者のイイトコどりというか、見た目はフッ素的な仕上がりにしつつ防水性を高めることを狙っているみたいです。高機能ウェアに使うのでなければ意外と良いかもしれません。3Mのスコッチガードがハイブリッドタイプですね。

人体への影響

フッ素のほうが危険らしいです。理由は分子にトゲ状のものがあるためで、吸い込んで肺に入ると引っかかって取れなくなるからだそうで。なんとなくアスベストっぽいですね。

ただし、このトゲ状の部分を使って繊維に吸着しているので、アイロンがけすると防水効果が増すという特徴もあります。一長一短ですね。

シリコンも全く無害ではないので、できれば吸わないほうが良いそうです。大抵のスプレーは「屋外で使ってね」と書いてあるので、面倒臭がって玄関の中で使わないようにしましょう。

蛇足

キャプテンスタッグってホームセンター御用達の安いメーカーだと思っていたら、パール金属の1事業部だったんですね。ちょっと印象良くなりました(パール金属好き)。
キャプテンスタッグ|アウトドア用品総合ブランド

靴、カバン、ズボンの裾とかの普段使いにはどれが良いのか?

フッ素系が安く買えるならフッ素、シリコンが格安で買えるなら用途を限定してシリコン+フッ素、という戦略が思いつきます。

Amazonを見ていると、ヘンケルのロックタイトが量、価格ともにダントツでした。しかもフッ素系。レビューも300近くあり、ガンガン使うならこれに決まりっぽいです。10万円するような高級革靴でない限りはこっちで良さそう。

スプレーは無駄が出るというので塗るタイプもあった

防水=スプレー、という頭で見ていたので意外でした。アンメルツヨコヨコみたいに塗るタイプもあるんですね。

スプレーだと飛散して無駄になる部分があるので、それがなくなる分オトクなようです。ニオイもないので玄関や屋内で使えるのが強み。さらに持ち運びもできますね。飛行機を使う出張にもOK。

成分を見るとフッ素なんですが、一緒に蝋と油脂が入っています。いわゆる艶出し剤入りなので、ヌメ革とか、色の薄い革にはちょっと使いづらい or 使えないようです。黒や焦げ茶の艶あり革靴、バッグなどにはすごく良さそう。

スキー、スノボウェアとか上下セットのカッパにはどれが良いのか?

靴や鞄くらいならスプレーで行けますが、スノボウェアとかになってくると面積が格段に増えるのでコスパが変わってきます。上のロックタイトの場合はスキーウェア2着分いけるとありますが、パンツも入れた場合はおそらく1人前で使いきってしまいそう。あと塗りムラも出そうです。

アウトドアウェア用なら…と調べてみると、ニクワックスにはスプレー以外にも洗濯機で使えるタイプもありました。予想外過ぎる。

上の1リットルタイプの他に、300mlの物もあります。1Lの方のレビューを見ると

スキーウェア・子供用2組、大人用2組、ゴア上着4着、手袋6組を洗濯しました。まだ残り一回分くらい残ってます。

NIKWAXであれば、1シ−ズンに一回で十分です。撥水スプレーは毎回でした・・・。

無謀な長距離サイクリングで、降り続く雨の中15時間連続で乗りました。結果大満足!すばらしい撥水性能!やばい!

アウトドア用だけあって、スキー、スノボ、サイクリング、バイク、釣り、トレッキングなどでの利用レビューが載っています。効果は折り紙つきみたいですね。

洗濯機を使うので防水処理に少し手間がかかりますが、塗りムラがなく、スプレーより落ちにくい加工になるのでかなり良さそう。

加工後のニオイが気になる、と書いてる人もいました。酢酸が入っているのか、木工ボンドのような酸っぱい臭いがするそうです。雨の日用と割りきったカッパとかレインウェアに使うのが良さそうですね。

ニクワックスは加工の前に洗う必要があるが…

ニクワックスの撥水剤を見ると、「テックウォッシュ」という専用の洗剤で洗濯して、汚れを落としてから使ってねとあります。

洗剤も小さいのが1,000円、大きいので3,000円くらいするようで、ちょっとやだなーと思っていた所、レビューで素材について突っ込んでいる人がいました。

Amazon.co.jp: NIKWAX(ニクワックス) LOFTテックウォッシュ1L EBE183 【洗剤】の ぱっどさんのレビュー

中身はこれと同じなんだそうです。

テックウォッシュの事を「界面活性剤を使っていないので安全」みたいに理解している人がいますが、よーくみると「”自然界で分解されにくく川や海を汚染する合成界面活性剤” は使用していません」なんですね。

人間の皮脂などの汚れは油なので水だけでは落とせません。これを浮かすために界面活性剤が必要なので、テックウォッシュにもちゃんと入ってます。

界面活性剤の種類
図解入門よくわかる最新洗浄・洗剤の基本と仕組み より

一般的に使われる界面活性剤には上のような種類があります。これらのうち、下水に流してもうまいこと分解される成分で作ってありますよ、という程度の意味でした。具体的には一番上の脂肪酸系の所の「脂肪酸ナトリウム・脂肪酸カリウム」ですね(薬局で成分見てきました)

ただニクワックスで処理することは年にそうそうないので、変なところでケチらずにテックウォッシュ買っといたほうが早い気もします。

という事で使用レポート書きました。

レインウェア、傘、ウインドブレーカーをニクワックスでまとめて撥水加工する

まとめ

  • 出勤、通学みたいな日常利用ならフッ素系で安いスプレーを探そう
  • 制服のローファーや通勤用の革靴には塗るタイプもおすすめ
  • スキーウェアとかはニクワックスを使うとまとめて防水できてワンシーズン安心

という感じでした。

うちはロックタイトを2本くらい買っておけば当分の雨は心配なさそう。

おまけ

防水スプレーをかけたティッシュ

ロックタイトを買ったのでティッシュにかけてみました。水を弾く〜〜〜!!

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