痩せる薬?なんでもトクホにできる難消化性デキストリンのダイエット効果について

体重を落としたがっている友人からこんな商品を教えてもらいました。イカツイ見た目の名前です。な…難消化性デキストリン…?

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> 難消化性デキストリン <
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デキストリンは炭水化物の名前だったはず、消化しにくい物だとやせるの?と不思議だったので調べてみました。

とりあえずWikipediaを見てみる

デキストリン (dextrin) は、デンプンまたはグリコーゲンの加水分解で得られる低分子量の炭水化物の総称である。

多糖類に分類され、デンプンとマルトースの中間にあたる。

これを精製して得られる難消化性デキストリンは、整腸作用と食後血糖上昇抑制作用があることが報告されている。
デキストリン – Wikipedia

ということで、炭水化物はあってましたね。精製方法によって名前が変わるようで、その中の難消化性デキストリンだと整腸作用と血糖値上昇を抑える効果があるそうです。

「難消化性デキストリン」でググッてみる

現時点ではまだ記事が少なかったですが、いくつか読んでみてこの辺が参考になりました。

大塚製薬のページを見てみると

難消化性デキストリンは食物繊維不足を補う目的で作られた

とありました。炭水化物が食物繊維…そういえばそんな事を調べたことがありましたね。今だにすごく不思議なんですが、食物繊維らしいんですよね。

このジュース角砂糖何個分?糖質の謎にせまる

で、食物繊維不足を補うために作られた物がなぜかダイエットにも効果があるんだそうです。

上の2ページから要約を抜粋すると、

  • 1日に食べる量の上限が決められてないくらい毒性が低い(WHOとFAO:国際連合食糧農業機関による)
  • 糖の吸収スピードを遅らせる
  • 脂肪の吸収スピードも遅らせる
    • 上の効果により内臓脂肪を減らせる
  • 腸の調子を整える
    • 上の効果によりミネラルの吸収も増える
  • 特定保健用食品(トクホ)で使われている

と、いいこと尽くめのようです。いいことが多すぎて逆に怪しい。大丈夫なのか、副作用とか無いのか、とちょっと心配になってきました。

論文を見てみる

CiNii Articles 検索 –  難消化性デキストリン

ここで公開されているオープンアクセスの物とJ-STAGEをざざっと見てみました。執筆者にアサヒ飲料などトクホ関連の企業名もいくつかあり、トクホ認定は金脈なんだろうなと思いながら読んでいきました。

安全性は先行研究で明らかになっていたようで、摂取量や摂取期間、血糖値上昇抑制の効果などを中心に研究されていました。なんか似たような試験をいくつかやっていたので副作用はなさそうですね。本当にただの食物繊維っぽい。

糖尿病関連

血糖値関連ということで、糖尿病リスクに効果はあるのか?について研究したものもありました。
CiNii 論文 –  難消化性デキストリン負荷による糖尿病リスクの軽減効果について

糖の吸収を遅らせる効果は確かにあるようなので、食後の血糖値急上昇は抑えられるみたいです。ふむふむ…と読んでいくと、最後の方に

国民健康・栄養調査の結果によると全国平均と比べ高い糖尿病死亡率である本県では,糖尿病発症を未然に防ぐことが急務となっている。

と出てきました。本県?と思って一番上に戻ると徳島の大学だったんですね。徳島県と香川県はうどん食べ過ぎで糖尿病が多い、とはよくネタにされてますが、地元の大学でも危機感を持って研究されるのは良いことですね。

徳島県の糖尿病の現状と対策 | 徳島県

こちらの記事を見ると、14年連続して「糖尿病死亡率全国ワースト1位」という衝撃的な一文が載っていました。県としても問題に取り組んでいたみたいで、最近は改善してきているみたいです。

便秘関連

また、便秘に関する論文もありました。
CiNii 論文 –  難消化性デキストリンの摂取が老人保健施設入所者の排便状況に与える影響

腸内環境の改善効果は他の研究でわかっていたようですが、ここでは老人ホームに入っている高齢者、後期高齢者が対象になっていました。

高齢者は食事や水分摂取が減る、運動量も減る、腸の動きも弱くなる、などの理由から便秘が多いそうですが、難消化性デキストリンをお茶に混ぜて摂取した所、便秘が改善しバナナ状の良い💩が出るようになったそうです。すごいな食物繊維。

Wikipediaで食物繊維を見てみたら同じようなことが書いてありました。
食物繊維 – Wikipedia

元々は消化されず💩で出てくるだけの役立たずだと思われていた食物繊維だが、直接は栄養を吸収できないものの、腸内細菌が分解することで栄養を取り出すことができるようになるんだそうです。

また、通常の炭水化物とちがって時間差で吸収されるため、エネルギー吸収の平準化にも寄与しているとのこと。

腸内細菌についても以前エントリーを書いたことがありましたが、ホント謎の多い部分ですね。下記のエントリでも腸内細菌が活躍しています。

雪印のアカディを飲み、牛乳への造詣を深める

↑では「キシリトールよりチーズのほうが虫歯予防に良い」という驚きの内容も入ってます。おかげで僕もチーズをよく食べるようになりました。

調べていると「松谷化学工業」という企業が出てくる

「難消化性デキストリン」でググると、ちょっと怪し目の健康食品みたいなページや、ゆるい感じの機能説明のページが出てきます。

1つめのページは妙に小綺麗なだけに、逆に怪しく見えてきます。2つめのページは稚拙すぎて、これはこれでどうなのかなー…と思って見ていました。

実はGoogleスカラーの方で論文検索すると、「松谷化学工業」という企業の論文がいくつも出てきます。

難消化性デキストリン – Google Scholar

上の2つの謎ページも松谷化学工業のサイトなのでした。

松谷化学工業について調べる

まずは手っ取り早く概要を掴みたいのでWikipediaから。
松谷化学工業 – Wikipedia

もうすぐ創業100年になる老舗企業でした。しかも創業当時からデンプンを作っていますね。加工澱粉製品の国内シェアはトップ。難消化性デキストリンもデンプンから作られるので、ここの商品が国内のトクホ製品に多数使われているようです。

売上高512億、従業員350人と大企業ですが非上場なんですね。筆頭株主が三菱商事、それ以外は親族が株式を持っているようです。余談ですがGoogleで「松谷化学工業」と入れると「株価」がサジェストされます。

次に自社ページを見てみます。「ごあいさつ」のところを見てみると、

戦前の工業用でん粉から、現在の食品用でん粉にシフトしたように、これからは予防医学的な製品、特保(特定保健用食品)などの製品が注目を集めていくと考えています。
ごあいさつ/ 澱粉の総合メーカー|松谷化学工業株式会社

とありました。工業用デンプンって何?糊とか?と簡単に調べてみると、糊…というか接着剤だったり、肥料だったり、建材、医薬品、生分解性プラスチックなどなど多岐にわたりました。

生分解性プラスチック

生分解性プラスチック!これは個人的に気になる商品でして、ちょっと脱線してメモ書きしておきます。(これを松谷化学工業が作っていたかどうかは不明です)

子供の頃にBB弾を使ったサバゲで遊んでいた時期がありまして、サバゲ自体はいまでも一部人気があり、専用のフィールドがあったりします。

で、サバゲで使うBB弾は通常プラスチック製で、打った弾がその辺に残されちゃうんですね。コンビニ袋が富士山に残されて自然分解されなくて景観が悪くなる…みたいな感じで、僕の例はその辺の茂みなんで景観はあんまり関係ないんですが、カラフルなプラスチック弾が野山にぶちまけられて、まぁなんとなく環境には良くないよな、というのは子供心に思ってました。

そんな時に友達が「自然分解されるBB弾があるらしい」という情報を持ってきました。すげーなおい!これで環境気にせずぶっ放せるぜヒャッハー!とお店にいったら高くて買えなかった思い出があります。

当時のものはトウモロコシのデンプンを固めて作られていたそうで、湿気を含むと膨張して使えなくなったんだそうです。食べられないそうですが、イメージ的にはポップコーンの種みたいな感じがしますね。しませんかね?そうですか…。

最近の生分解性プラスチックは素材の種類も増え、数年で微生物が分解する物もあるそうです。おもしろいですね。

話を戻して引き続き調査

リクナビにも載ってたので見てみました。
松谷化学工業 株式会社 新卒採用|リクナビ2016|学生のための就職情報サイト

ここの会社情報を見ると、

従業員数: 450名
※研究開発部門は80名、品質管理部門は40名。社員の約1/4を配属するなど、何よりも研究開発に力を入れた人員構成となっています。

と書いてありました。それであの論文数なのか、と納得です。ここ、なんとなくホワイト企業な感じがしますね。デンプン加工のパイオニアは伊達じゃない気がします。

難消化性デキストリンの摂取方法について

そんなこんなで、難消化性デキストリンの効用や使われ方などがわかってきました。じゃあ実際使ってみるとして、どうやって摂取すればいいの?という疑問が湧いてきました。

この辺はAmazonのレビューに利用者の声が沢山付いていたので、有用そうなものをピックアップしてみます(レビュー600件近く付いてますからね…)

家族全員で、ミキサーで作る野菜ジュースに入れながら毎日飲んでいます。当方の毎日の食事は、太らないし痩せない程度のカロリーを摂取しており、酒も飲まないという生活を続けていたのですが、難消化性デキストリンを飲むようになってから、食べる量が変わらないのに、家族全員の体重がすごいペースで減っていきました。
Amazon.co.jp: 難消化性デキストリン(水溶性食物繊維)400g(微顆粒品)【ヘルシーカンパニー】の クラストーさんのレビュー

 

始めて約2カ月経ったので報告に来ました。結論から言えば4キロほど減りました。

飲み方ですが、私は毎食前に5グラムから開始しました。しかし、あまり効果がなかったので2グラムづつくらい増やしていき、現在は毎食前に10グラム摂取に落ち着きました。飲みすぎるとお腹が緩くなる感じはあります。自分にあった量を見つけて下さい。
Amazon.co.jp: 難消化性デキストリン(水溶性食物繊維)400g(微顆粒品)【ヘルシーカンパニー】の Amazon カスタマーさんのレビュー

 

私の場合一週間は何の変化もなかったのに、二週目くらいから三週目にガクッと体重が減った。皆さんより効果が早いです。
そんなに太っているほうではなく、医者から血液検査の中性脂肪値を指摘されていて元々食事に気を配っていたのも一因かと思います。
Amazon.co.jp: 難消化性デキストリン(水溶性食物繊維)400g(微顆粒品)【ヘルシーカンパニー】の birdieさんのレビュー

 

これは水溶性の食物繊維です。よく、「糖分と脂肪の吸収を抑える」というトクホのお茶なんかに含まれているものと全く同じです。ただ、その原料なので自分で作るだけの話です。

「キトサン」と異なり水溶性の食物繊維ですので、ちゃんと水分を摂っていれば便秘になることはありません。
Amazon.co.jp: 難消化性デキストリン(水溶性食物繊維)400g(微顆粒品)【ヘルシーカンパニー】の 佐天さん!さんのレビュー

 

ダイエットマニアの私が7キロ痩せたやりかた、教えておきますね。
食べた物の血糖値上昇を押さえるので、低糖質ダイエットになります。ということは、おなかがすいている時にガブガブ飲んでもあまり意味がありません。ごはんを食べる時、お菓子を食べるときに、一緒に飲まなきゃほとんど効果がないのです。
Amazon.co.jp: 難消化性デキストリン(水溶性食物繊維)400g(微顆粒品)【ヘルシーカンパニー】の もろたんさんのレビュー

 
他のレビューには痩せた、痩せない、便秘になった、お腹がゆるくなった、と正反対の内容が散見されますが、量や使うタイミングを間違うと効果が出にくいみたいですね。

痩せない場合

ダイエットはカロリー収支の結果なので、「難消化性デキストリン飲んでるからラーメン大盛り」とかやってるとトータルで摂取が増えてしまい、太ります。

食事は変に意識するんではなくて、普段通りに節制していれば減るみたいです。

あと摂取のタイミングもあって、食前食中に摂るのが良いそうです。面倒くさい人は味噌汁などの汁物に入れてしまう手もあります。食後だと小腸が糖を吸収した後に入ってくるので意味ないんですね。

便秘になる場合

腸内環境が整ってお通じが良くなるはずが、便秘になる人もいます。これは上の方にリンクを張った老人ホームでの検証論文にもあったことなんですが、水分が足りないと便秘になります

理由も書いてあって、難消化性デキストリン自体が水分を吸うため水分不足の場合はカチカチ💩になるんだそうです。多少意識して水を飲んでおくと良いお通じをキープできます。

下痢になる場合

おそらく難消化性デキストリンと水の摂取量が多いです。適量の場合は便に適度な水分を与えて排泄しやすくしますが、両方とも多いと水を大量に含んだ食物繊維が腸に入ることになり、水分過多で下痢になると思います。

体重が落ちるまで時間がかかるので、2〜3ヶ月つづける気持ちで焦らず摂取していきましょう。

難消化性デキストリンの摂取量

大塚製薬のページを見ると、臨床試験の結果を引用して数値が書いてありました。安全性テストでは1日30gを4ヶ月続けても問題ない、という結果が出ているそうです。ただまとめて30gではなく、10g × 3食にわけているので、いきなり30gドバーだとお腹がビックリするかもしれません。

それでなのか、上のような商品がよくセットで買われているようでした。一振りで3gなので、1食あたり3回振れば9g、これを朝昼晩つづけると良いそうです。お昼は外で食べる人が多いと思うので 10g 程度が入る小さい入れ物があると良いんですが、さすがに見つかりませんでした。

小さじ1杯が5gなので、2杯分程度の入れ物があれば常時携帯できますね。

ということで

やせる薬…と書くとなんとも怖い感じがしますが、糖質や脂肪の摂取を遅らせたり減らしたりする食物繊維だったんですね。しかも水分と一緒に摂ればよいお通じも期待できるという便利な成分でした。

一般に売られているトクホ商品も、この難消化性デキストリンが溶けて入ってるだけのようです。仕組みがわかればこっちのものなので、無理して高い烏龍茶を買わなくても、普段の食べ物飲み物にこの粉末をちょっと入れるだけでダイエット出来てしまうんですね。はぁぁ…なんとも凄い時代になったもんだ。

ちなみに、難消化性デキストリンが合わなかった人はイヌリンというかわいい名前の製品に行く人も多いようです。

こちらも水溶性の食物繊維で、難消化性デキストリンと似たような効果を得られるようです。違いは論文がほとんどない、トクホで使われていない、というくらいでしょうか。

体重にお悩みの方、この辺を試してみてはいかがでしょうか?

最後に注意点をひとつ

難消化性デキストリン、イヌリンは共に食物繊維で、胃で消化されず、腸内細菌の餌になる物質です。腸内細菌はこれらを分解して栄養を取り出します。その際、腸内環境が整っていく過程でめちゃめちゃオナラが出ます。なのであらかじめヨーグルトを食べたり、ビオフェルミンを飲んだりして、準備をしておくのを推奨します😄

追記 キリンのメッツプラスにも入ってました

キリン メッツ プラス レモンスカッシュ

何気なく飲んでいたジュースにも入っていました。嫌な甘さとかなくてスッキリした味です。これ美味しいね〜どこのやつかな?とラベルを見ていたら「難消化性デキストリン」が目に入ってびっくりしました。コーラより飲みやすいよこれ。

Amazonレビューを見てもかなり満足度の高い感じ。粉のほうを買うのが面倒な場合は、こっちを使うのも良さそうですね。

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