赤い実を付けるハナミズキと街路樹

ハナミズキの花
ハナミズキ – Wikipedia より

わが家の庭にはハナミズキが植えてあります。春頃には白やピンク色の花をたくさんつけてとてもキレイです。花びらに見える部分がちょっと硬そうですが、もともとは葉っぱだった部分だそうです。

これが秋になると、今度は紅葉して赤い実を付けます。雀やオナガ、ムクドリなどの野鳥が実を食べにやってきます。

紅葉したハナミズキの葉と赤い実

車で走っていると街路樹にも赤い実の木をよく見かける

車で移動中に気づいたのですが、街路樹にも赤い実の木をよく見かけました。うちにあるハナミズキはもう落葉がすすんでいるのに、もっと寒い地域では紅葉した葉が沢山付いていました。似ているけど違う種類の木?と疑問に思ったので早速調べてみました。

おそらくクロガネモチだそうで

車を止めてちゃんと見ていないので自信がありませんが、同じような疑問を持つ人の質問と回答を調べていくと、おそらくクロガネモチなんだそうです。庭木としても用いられますが、潮風や大気汚染に多少強いことから街路樹にも使われるとのこと。

「クロガネモチ」が「金持ち」に通じるから縁起木として庭木として好まれる地域もある。
クロガネモチ – Wikipedia

掛詞のようにして庭木にすることもあるみたいで面白いですね。

分類とモチノキ科

ハナミズキはミズキ目ミズキ科ミズキ属、クロガネモチはニシキギ目モチノキ科モチノキ属らしく、別の種類でした(関係ないですがこの分類学の分け方がいつも気になっていて、その内調べてみたいですね)

モチノキ科の樹皮は粘り気の強いゴムのような物質を含んでいて、トリモチの原料として使われていたそうです。トリモチと言えばガンダムの「トリモチランチャー」を連想してコロニーの穴の修復について思いを馳せてしまいますが、元ネタは鳥や昆虫を捕まえる罠用のネバネバです。

日本においても鳥黐は古くから使われており、もともと日本語で「もち」という言葉は鳥黐のことを指していたが、派生した用法である食品の餅の方が主流になってからは鳥取黐または鳥黐と呼ばれるようになったといわれている[1]。

主要な鳥黐であるモチノキ属植物、ヤマグルマ、ヤドリギの果実などから得られるものの主成分は高級脂肪酸と高級アルコールがエステル結合した化合物であるワックスエステル、つまり蝋である。逆に言うと化学的には、植物から得られ、常温でゴム状粘着性を示す半固体蝋が鳥黐であるともいえる。
鳥黐 – Wikipedia

Wikipediaはほんとになんでも書いてありますね。製法のところもすごく面白いです。春に樹皮を集めて秋まで流水につけておくという、今の感覚では気が遠くなるような手間がかかっていました。

黐(モチ)の字が読めなくてこちらも検索した所、トリモチかモチノキを指すだけの感じでした。すごくニッチ…!

鳥刺し

用法の所に職業として鳥を取る鳥刺しなどによって使用されるとありました。鳥を刺す職業?食べ物っぽい名前の職業?Wikipediaでリンクになっていたので見てみると、トリモチを使って鳥を捕まえることを生業にしていた人、の事でした。いわゆる狩猟ですね。弓や鉄砲と違って生け捕りにできるので、食用、観賞用として重宝されていたようです。

なぜか「鷹匠に仕えていた」との記載もあり、扱う鳥類の戦闘力によって上下関係があるのかな…?と思ったりしました。ちなみに小鳥は鷹の餌にもなっていたそうです。

締め

ハナミズキの実から意外な所まで飛んでしまいましたが、木と野鳥なので近い分野とも言えそうですね。赤い実を付ける樹木はまだまだたくさんあるらしく、市街地から外れてちょっと山に入ればたくさん見つけられそうです。

また、北海道ではナナカマドという木が植えられていて葉っぱも実も真っ赤になるそうです。こちらはバラ科とのことでまた違う種類ですが、旅行の際にちょっと注目してみたいですね。
北海道の街路樹 「ナナカマド」。冬でも赤いままの実は、鳥たちの大切なごちそう !! – ライブドアニュース

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