SPFとPAを理解して日焼けと紫外線対策をした

インドア派なので日焼けとは無縁の生活を送ってきました。また、男なので、多少焼けても気にすることはありませんでした。
最近は子供の外遊びに駆り出されるようになり、炎天下の中でジリジリと焼かれる日が増えてきました。僕が子供だった 80 年〜90 年代は、日焼けして真っ黒になることは良いことだとされていました。ところが最近は「紫外線の浴び過ぎは体に悪い」という研究が進み、子供でも日焼け止めを塗ったり、炎天下に放り出すことは少なくなってきました。
日焼け止めの表示の意味がさっぱりわからない
ということで薬局で日焼け止めを見てみたんですが、日焼け止めって強さっていうか防御力に違いがあるんですね。全部一緒だと思っていたので意外でした。じゃあどれが良いのかなと思って見てみると、「絶対に焼かない!!!」という強気のものから「なめらかでよく伸びる」みたいな普通の化粧品のような物もあります。強気のものは少量で売られていて、グラム単価にしたらお高そうです。
パッケージをよく見ると「SPF50」とか「PA++++」みたいな表記があります。数字や記号の多いほうが強いんだろうなと言うのは何となく分かりますが、どれくらいの強さを買えば良いのかわかりません。
自分の用途は「朝 10 時〜午後 17 時くらいまで公園とか野山で外遊びする」です。絶対に焼きたいわけじゃないんですが、しみだらけの老人にもなりたくないなという感じで、守れるなら守っとこう、無理のない範囲で程々に対策しとこう、というくらいの気持ちです。
SPF や PA の表示について調べていくと、今度は「UVA」とか「UVB」という単語が出てきて頭が混乱してきました。お…俺は適度に肌を守りたいだけで、理科の勉強をしたいわけじゃあないッ!でも理解してないとなんとなく選びづらい…。
ということで調べました。
調べたけど長くなったので先に結論
なんか調べてたらダラダラと長くなってしまったので、ざっくりまとめを先に書いときます。
日焼け止めの分量は多め、顔だけで500円玉サイズ使う

SPF とかの試験をした際に決められた分量を使っていたそうです。その量が結構多くて、
- 顔だけで500円玉1個分
- 両腕でも500円玉1個分
- 両足だと800円分くらい?
という感じになりました。500 円玉ってどれくらいだっけ?という方はペットボトルのキャップくらいと覚えておくと良いです。
半袖短パンだけど日焼けしたくない!って人は、大容量の日焼け止めを買っておかないとすぐ無くなっちゃいそうですね。思ったよりドバドバ使うみたいです。ケチるとどうなるかって言うと焼けます。
2時間くらいで塗り直す
汗や服の摩擦とかで取れるので定期的に塗り直す必要があり、その間隔がおよそ 2 時間だそうです。
僕の場合の対策
- 汗かき
- 外遊び中心
- 日傘とか使わない
という結構過酷な環境なので、SPF50+、PA++++という表示上で最強のものを選ぶことになりそう…。でもそれだとコストが掛かり過ぎなのと、そこまでするんだったら別に焼けてもいいやということで、妥協して安くて容量の多い SPF30 くらい、PA+++くらいを使えば良さそうです。
数値が低いほうが肌にも優しいため、注意しながら使えば子供に塗っても良さそうです。
紫外線の概要

まず紫外線から調べました。対になってたので一緒に赤外線も少し調べました。
さいしょに光について。人間の目に見える光には範囲があって、そこから外れたものを「◯◯ 外線」と呼ぶみたいです。紫色の外側が「紫外線」、赤色の外側が「赤外線」でした。
紫色 = バイオレット、外側とか向こう側みたいな意味の英語が ウルトラ、二つ合わせて ウルトラバイオレット(Ultra Violet)、略して 「UV」でした。
紫の外側である UV にも細かくランクがあり、目に見える範囲から離れるに連れて A→B→Cとアルファベットが増えていきます。これがUV-A(UVA)とかUV-B(UVC)と呼ばれるものでした。
UV-C(UVC)
目に見える範囲から一番離れているUVCが一番ヤバく、強い殺菌作用があるとされます。強い殺菌作用って言われるとトイレとかにある手を乾かす機械に付いてる青く光るアレ?と思いましたが、アレだそうです。殺菌灯というんですね。

ハンドドライヤー - Wikipedia
ウィキペディアにあったやつは光がなぜかオレンジ色でした。
UVC なので長時間あびるのは良くないらしく、皮膚だけでなく目もやられます(白内障になるらしい)。手を乾かす装置は子供がライトを見てしまう事が多かったようで、最近のものは少なくなっているそうです。目線近いですもんね。
個人病院の下駄箱に、スリッパを殺菌する機械が置いてあることが増えてきました。スリッパをwwwww光で除菌wwwwと内心ちょっと小馬鹿にしていましたが、咳などで体内から出てきたウイルスなんかは重力に引かれて床に落ちてるらしいので、スリッパを除菌する意味はありそうです。
そんな UVC、太陽から降ってきたらインドア派な僕という存在自体が殺菌されてしまいそうですが、実際はオゾン層が守ってくれてるみたいで、地表まで降ってくることは無いそうでした。よかった〜〜。
UV-B(UVB)

UVBはやけどを起こします。火傷の呼び方も 「サンバーン」と「熱傷」 と分かれてるみたいで、皮膚が赤くなるくらいがサンバーン、やりすぎると熱傷になるみたいです。どちらも火傷なので痛いそうで。
人体に痛みとかの刺激を与えるものって大抵ガンになるんですが、こちらもそんな感じで皮膚がんの原因になるそうでした。うぇぇ…。
UV-A(UVA)
→
UVA は熱いとか痛いとかのダメージがないそうですが、皮膚の表面を通り抜けて真皮まで到達し、そこで細胞に刺激を与えて色をメラニン色素を参加させて黒くするそうです。日焼けマシンの機械もこの UVA を照射しているそうです。あの機械ってすごく暑かったり痛かったりするのかなと思ってたのでちょっと意外でした。
痛みとかの刺激がないので軽視されていた UVA ですが、近年の研究で老化を促進することがわかってきているそうです。登山家とかチベットの人が年齢の割に皮膚がゴワゴワしているのが不思議だったんですが、UVA のせいみたいですね。
紫外線防御効果を表すSPF値とPAについて
SPF は「太陽から(Sun)、守る(Protection)、要素(Factor)」の頭文字を取ったものでした。意外とそのまんまですね。
PA はなんだろうと見てみると「守備力の強さ(Protection grade)、of、UVA(A)」となっていて、UVA からどれだけ皮膚を守れるかという値でした。
…ということは SPF って何から守るの?と見なおしてみると「UVB から」とありました。ちょ…ちょっと待って…どういうことなの????
SPFとPAは別物
この辺でめちゃめちゃ混乱してきてるんですが、SPF は UVB から守る、PA は UVA から守る、ということらしいです。SPAとかSPBとか勝手な単語が頭に浮かんできてめちゃめちゃ混乱します。諦めたい。でも諦めない。表にしよ。
| 紫外線の種類 | 紫外線の影響 | 皮膚を守る奴の名前 |
紫外線の種類と影響まとめ
紫外線の種類 | 主な影響 | 皮膚を守るもの |
---|---|---|
UV-A | 黒くなる・老化する | PA(プロテクション of UV-A) |
UV-B | やけどする | SPF(サン・プロテクション・ファクター) |
UV-C | 強い殺菌作用 | オゾン層 |
補足画像
- UV-A
- UV-B
- UV-C
あー、これで何となく頭に入ってくる気がしてきました。SPF を PB(プロテクション of UV-B)とかに変えてくれたら一番ラクなんですけどねぇ…。とりあえず分類できたので、個別に見ていきます。
PA(UV-A: 黒化、老化から肌を守る)
防御力の強さは + の数で表示され、ランクは 4 段階ある。
- PA+ … 効果がある
- PA++ … かなり効果がある
- PA+++ … 非常に効果がある
- PA++++ … 効果が極めて高い
おぅ、さっぱりわからん!!Wikipedia でサンスクリーンのページを見てみると何やら数値も書いてあって
PA+ … 効果がある (PPD値2〜4)
PA++ … かなり効果がある (PPD値4〜8)
PA+++ … 非常に効果がある (PPD値8〜12)
PA++++ … 効果が極めて高い (PPD値12〜)
となっています。数値の意味は「皮膚が黒くなる最小量の紫外線量 = PPD1」となっています。なので PPD10(PA+++)だと普段なら日焼けする紫外線量を 10 倍浴びたらやっとこさ黒くなる、ということらしいです。
SPF(UV-B: やけど、サンバーンから肌を守る)
防御力の強さは数値で表示され、1〜50 くらいの範囲で書かれています。
数値の意味が上の PPD という奴と同じ感じで、「皮膚が赤く炎症(サンバーン)を起こす紫外線量 = SPF1」となっています。なので SPF10 だと 10 倍の量の紫外線に耐えられるんだそうです。
ってことは SPF50 だったら 50 倍!?3 日くらい持つんじゃないの?と思いがちですが、なんかこの辺に落とし穴があってそううまくは行かないみたいです。
実は SPF30 くらいから上の防御力は同じくらいで、違いは耐えられる紫外線量だけらしいです。なんともややこしい。SPF30 をこまめに塗っておけば SPF50 買わなくてもいいとかそんな感じ。
SPF、PAの落とし穴
話をややこしくしてくる落とし穴がいくつかありました。
日焼け止めを塗る量
まず 1 つめに SPF や PA の試験をした際に、「1 平方センチメートルあたり 2mg ずつ製品を皮膚に塗布した上での測定」という条件で行ったとありました。なので実際に使う場合も、これと同じ分量を塗らないと謳い文句通りの効果が得られないんだそうです。なんかひどい。
これがどれくらいかというと、僕の右腕、手首から肘の表側がだいたい 7cm × 25cm = 175 平方センチメートル
でした。試験と同じ条件にするには、ここに 350mg 塗らないといけません。日焼け止めが水と同じ比重だとすると 0.35g = 0.35ml
になります。0.35ml ってピンと来ないのですが、目薬の一滴が 0.05ml らしいので、目薬 7 滴分くらいらしいです。

花粉用の目薬が余ってたので 7 滴落としてみました。だいたい 1.2〜1.3cm くらいの大きさです。実際はもう少し重かったり、伸ばしにくいタイプは多めに出す必要があるので、もう少し多くなるんでしょうか。
お金の 1 円玉がちょうど直径 2cm なので、片腕の表面だけでも 1 円玉くらいの大きさの量が必要そうです。これより少ないとパッケージにある効果が出せないので日焼けしてしてしまう…ということで、ケチって使ってる人はちょっと注意が必要そうです。
↑ は片腕の表面だけなので、両腕の裏表全部塗ろうとするとだいたい上の 4 倍位になるので0.7gの分量が必要になります。0.7g の日焼け止めは 500 円玉くらいの大きさくらいらしいです。

結構大きいですね。これに足も塗りたいとなってくると、更に 500 円玉 1 枚〜2 枚くらい必要になってきます。
しかも塗り直しが必要
これはよく言われてることですが、日焼け止めを塗ったら一日安心というわけじゃなかったので、こまめな塗り直しが必要らしいです。汗で流れてしまったり、服などについて取れてしまったり、日焼け止めの成分が紫外線にやられて減ってしまう、というのが理由だそうです。
その日の過ごし方にもよりますが、だいたい 2 時間おきに塗りなおしておけば良いそうでした。ただ、この辺の情報があいまいで、ちょっと気持ち悪いです。
というのも、素の状態で 5 分で焼けてしまう人もいれば 30 分まで耐えられる人もいて、その人たちが SPF10 をつけたら弱い人は 50 分なのに対し、皮膚の強い人は 300 分(5 時間)も耐えられることになります。
しかし皮膚の強い人が超汗かきだった場合は日焼け止めがすぐ落ちてしまうので、表記通りの効果は出ません。
そんな個人差や環境にだいぶ左右されるので、2 時間で焼ける人もいるだろうし、3 時間位開けても大丈夫な人もいるみたいです。心配ならまめに塗って、面倒だったら自分の肌がどれくらいで焼けるかテストしたほうが良さそう。
SPFやPAが高い = 長時間持つ、ではない
これもややこしいんですが、
- SPF1: 何もつけてない状態 = 20分で皮膚が赤くなる
- SPF10: 上の10倍の紫外線量まで耐えられる = 200分で皮膚が赤くなる
と、いうことらしいです。それと、遅らせるだけで少しずつ焼けてるそうなので、焼きたくない人は日焼け止めに加えて日傘とかアームカバーとか併用する必要がありそう。SPF30 も SPF50 も紫外線をブロックする硬さみたいなのは同じらしいので、高い数値を使ってても安心できないんですね。

ドラえもんの「時間ナガナガ光線」を思い出しました。日焼け止めって「ブロック!」とか「シールド!」とか言ってますが、実際は焼ける時間を引き延ばしているだけでした。
紫外線が強い時期の情報
よくテレビなんかでは「5 月の日差しも意外と紫外線が強い!」とやっています。5 月って涼しくて気持ちいい季節なので、ほんとに紫外線強いのかな?化粧品売りたいだけなんじゃないかな?と思ってました。
5 月も強かったです。すいませんでした😭

気象庁に紫外線の推移グラフがあります。初期値は北海道になっているので、関東民はより近い観測所のつくばに変更すると実感に近いグラフになります。
これを見ると7、8 月に平均値の山があります。ところが 5、6 月をよく見るとオレンジ色の「強い」のところに入っちゃってます。7、8 月は特に強くて危ないんですが、5、6 月も充分強かったんですね。
ちなみにこのグラフは UV インデックスで表示されていて、「値が 3 以上の時は日差しを避けようね」と環境省から対処法が出ているそうです。
気象庁|紫外線による健康被害の予防
6 月も強い紫外線が降ってきてるそうですが、曇りの日が多くて平均値を下げているようです。日が一番長くなる夏至って 6 月 21 日なので、実は 6 月の紫外線が最強だという話もあります。つまり、梅雨の合間にさわやかな晴れ間を見せた日が実は一番怖いという…。
日焼けしたときのケア方法は?
日焼けし過ぎると皮膚がヒリヒリして、体も火照ってきます。調子によって焼きすぎて、夜に体が熱くなって寝れない、というのをたまに経験してきました。
そういう時はいつも水シャワーを浴びて、肌水とか適当なローションを塗ってました。以前は小林製薬からヒリピタクールという商品が出てたんですが、今は販売中止で無いそうです。うちに古いやつ残ってるけど、古いのって使って良いのかな…。
そんな感じで適当な対処をしていましたが、調べてみるとこれが意外と正解だったみたいです。適当にググってみてみても「冷やす、保湿、給水、をしっかりやっとこうね」みたいに書いてるところが多かったので、水シャワー浴びて肌水塗って水飲んどけば治りそうでした。
最近は肌水だと水っぽすぎて効き目なさそうだな…と思うようになり、奥さんの物をお借りしています。こういう奴を使ってます。
300 円くらいで買えてしっかり保湿してる感じがするので、結構気に入ってます。
あと、ほてりがひどい時は火傷と同じ対象法を使うとよいので、濡れタオルを少し凍らせてから皮膚に当てたり、アイスノン的な保冷剤を当てたりとかですかね。
日焼けは皮膚から水が抜けたような状態なので、のどが渇いてなくても意識的に水を飲むようにしています。
まとめ
- 紫外線は5、6、7、8月が強い
SPFとかの表示は使い方などで個人差が出るので、心配なら自分の体でテストする
- 日焼け止めは多めに塗る
- 2時間くらいで塗り直す
という使用量を考えていくと、できるだけ大容量のものを買ったほうが良さそう
自宅には140gとか入っているポンプタイプ、出先では50gとかの携帯タイプがよさそう
でした。
Amazon でポンプタイプと携帯タイプで検索してみました。日焼け止め自体そんなに種類のあるジャンルじゃないので、お店で見たことあるやつが出てきますね。ポンプタイプはおトク便もあったりするので、近所の薬局と値段を見比べてみると良いかもです。
ちなみに海とかでよく見かけるサンオイルですが、やけど(サンバーン)を起こす UV-B だけカットするらしいです。商品を見てみても SPF の表記だけで PA は無いんですね。へぇぇ…。SPF の強さはどれくらいなのかな?と見てみると、たったの 2とかでした。笑う。
かなり強力な日焼け止め
日焼けどめでオススメしたいのがこちら。今日60キロ自転車で走った上に一日中外(しかも海)で撮影していましたがグローブ焼けどころか一切焼けてない。紫外線A波B波以外にロングUVも防いでくれる。朝塗ったきり塗り直してないのに焼けない。 pic.twitter.com/orJvf8gdF6
— リライ (@rely_w) June 4, 2016
ラロッシュポゼ(LA ROCHE POSAY)というメーカーのものだそうですが、ツイートの写真を見る限り全然焼けてませんね。超強力!値段を見ると 4,000 円近くしますが、絶対焼きたくない人はこれくらい出さないとダメなんですね…。