しましまの猫

家事と子育て / インドア派の日常

100円ショップでよく見かける国産メーカー

100 円ショップ、すっかり身近な存在になりましたね。国内に 1985 年からあるそうで、1991 年にダイソーが出てきて、キャンドゥ、セリア、ワッツ(シルク)などが生まれてきました。

100 円ショップや 100 均と呼ばれる企業は店舗ごとに特色があります。ここ数年はセリアが女性向けの品揃えでめちゃくちゃ元気いいですね。

そんなセリアで人気のスパイスボトルについて、先日記事を書きました。

塩とかスパイスを入れるおすすめ調味料入れが知りたい
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shimashimanoneko.com/posts/recommended-seasoning-bottle

この記事の中で「かわいくて人気のスパイスボトルってセリア以外にも売っていた」という部分が気になって、各 100 均の取扱商品を調べてみました。

収納用品、キッチン用品中心に見てみました

10 年以上前の 100 均では中国からの輸入品が中心だったと思います。商品をまとめて輸入していたことから、ヒット商品が出てもすぐに補充ができないという弱点がありました。

これを克服するために国内メーカーから安く大量に仕入れられるルートを作り、ビジネスチャンスを逃さないよう 100 均も進化してきているようです。

商材のうち、おもにプラスチック製品は国内でも大量生産できるようで、メイド・イン・ジャパンとか日本製と書いてあるものが最近は増えてきました。

プラスチック製品が多いもの…100 均の製品はほとんどプラスチックな気もしますが、収納用品とキッチン用品、掃除用品などが特に多いです。パッケージ裏側の生産メーカーを見てみるとほとんど国内企業なんですね。そこで、今回は収納用品とキッチン用品を中心に調べてみました(全商品チェックしてないので漏れがあるとおもいます)

生産メーカーセリアキャンドゥワッツダイソー
サナダ精工-
イノマタ化学不明
山田化学-不明
小久保工業所-不明
(有)アサヒ化成--不明
和泉化成
ナカヤ化学--不明
ヒマラヤ化学--不明
IPシステム-不明
100均オリジナル--

結構種類がありますね。すべて地方の中小企業で、従業員は 100 人に満たない規模。しかも半分くらいパートさんだったりします。そんな各企業について簡単に紹介していきたいと思います。

サナダ精工株式会社

サナダ精工本社

サナダグループ | プラスチック関連のお役立ち情報をお届け

1974 年創業、大阪府千早赤阪村の企業。従業員 135 人。大阪唯一の村にあるらしく、立地を見るとたしかに山です。が、少し北に行くと堺市があるので、村アピールしていても結構都会なんじゃないかなと思います。

グループ企業にホームセンター向けプラスチック製品やケミカル製品もあり、それらを合わせるともっと大きくなります。100 均にある消臭剤などをひっくり返すと「不動技研」と書いてあることが多いですが、こちらのグループ企業になります。

地図を見てみると、どこも車で 10 分くらいで行ける距離に建っていました。

商品について

製品情報:サナダ精工株式会社

プラスチック製品数トップクラスを自認するだけあり商品数は多いです。グループ企業にケミカル系の不動技研があるので、消臭剤や乾燥剤、ゴキブリ用のホウ酸団子なども取り扱っています。

製品の雰囲気はマジメそのものというか質実剛健というか、丁寧にかつ控えめに作りましたという雰囲気のものが多いです。白や透明の物が多いため生活に取り入れやすいですね。わが家もパントリーや物置棚の小物入れをひっくり返していくと、結構サナダ製の物がありました。

プッシュポット500

プッシュポット500 - (キッチン|食品保存容器):サナダ精工株式会社

こちらの「プッシュポット」という商品、100 均の食品容器コーナーで見かけたことのある方も多いと思います。フタの後ろ側を押すだけでポコッと開いて便利な容器です。

僕がこの商品を初めて見たのは、実は 15 年くらい前でした。ホームセンターで 500 円くらいの値段で置いてあり、便利そうで買ってきました。今だと 100 円で買えるんですね。

サナダ精工の問題点

ネット上の活動もがんばっています。Twitter もやっていました。ただフォロワーが 25 人しかいなくて全く活用できていません。この記事を読まれて、もしご自宅でサナダ精工の製品を使っている方がいましたら、応援の気持ちも込めてフォローしてあげてください(見てて悲しくなってきた😢)。

https://twitter.com/sanadaseiko

実際の製品ロゴ

ロゴはこんな感じ。

サナダ精工のロゴ

イノマタ化学株式会社

イノマタ化学本社 イノマタ化学|ホームページ

1978 年創業、こちらも大阪府は堺市の企業。従業員数は 70 人。

こちらはグループ企業などがなく、1 社でプラ製品の企画、製造、配送を行っています。100 均以外にもホームセンターや通販用製品も作っており、製品情報ページを見てみると参考上代が 1,000 円を超えるものもあります。

作っている製品はサナダ精工に似てマジメな感じがあり、そこに加えて配色のセンスが良いので個人的に好きです。セリアのスパイスボトルもこの企業ですね。お風呂用の Leaf シリーズなるほど計量カップなどは家にもありました。

2,000 円近くの価格帯ですが、「かしこいバケツシリーズ」が Amazon で人気でした。主に洗車用途で使われていて、道具を入れられる、踏み台にできる、紫外線に強く劣化しにくいなどがウケているみたいです。黒以外も緑、青、ピンクなど、使いやすそうな色合いになっています。

イノマタ化学 かしこいバケツ17L ブラック 幅360×奥行350×高さ300mm 3216
イノマタ化学 かしこいバケツ17L ブラック 幅360×奥行350×高さ300mm 3216
イノマタ
価格: ¥1,482

また、今回調べるまで気づいてなかったのですが、以前書いた電源タップを収納するケーブルボックスの記事にも出てきていました。最近「あの時書いた記事の箱、そろそろ買おうかな…?」と思っていた時にメーカー名を思い出してビックリしたのでした。

コンセント周りをスッキリさせるケーブルボックスをBluelounge(ブルーラウンジ)以外で探す
コンセント周りをスッキリさせるケーブルボックスをBluelounge(ブルーラウンジ)以外で探す
shimashimanoneko.com/posts/cable-box-choice

実際の製品ロゴ

ロゴはこんな感じ。

イノマタ化学のロゴ

山田化学株式会社

山田化学の社屋 山田化学株式会社

1988 年創業、当初は大阪府八尾市だったが、後に三重県伊賀市に移転しています。従業員数は 60 人。

ここも作っている製品数が多く、しかもよく見かけたり、家にあったりするものが多いです。

Grit Brillia

セリアのお弁当箱コーナーでよく見かける GRIT&BRILLA とか、

ビストロシェフ

プッシュ式の穴が便利な食品保存容器のビストロシェフとか。フタの耐熱温度が高くてそのままチンしても壊れないので便利なんです。

これら以外にもスマホ用品や卓上小物入れなど、製品の幅は多岐にわたります。というか 100 均のプラ小物をひっくり返すと「山田化学」と書いてあることが多いのに驚きます。わが家ではビストロシェフの他に、取っ手付きの小さい箱などにも山田化学製品がありました。

実際の製品ロゴ

ロゴはこんな感じ。

山田化学のロゴ

株式会社小久保工業所

小久保工業所社屋 家庭用品の製造・販売は小久保工業所

1958 年創業、和歌山県海南市の企業。従業員は 75 人。

掃除道具が特に強く、100 均で掃除コーナーに行くと大半がここの製品だったりします。また、昔からダイソーに売っていた怪しげな足裏シートとかもここの製品です。グループ企業にケミカル系がいるため、消臭剤や脱臭剤も扱っています。

僕はここが出しているメラミンブラシがすごく気に入っていて、以前記事を書いたこともあります。

https://shimashimanoneko.com/posts/sponge-brush

他のメーカーにはない特徴として海外展開があります。アメリカに営業所を持っていて、「メイドイン紀州」で打って出ようとしています。特設ページも立ち上げ、載せている商品もかっこいい物中心です。

from KISHU to the world | KOKUBO PRESS

小久保サイトのいいね数

ただし、2016/02/25 現在の時点で 0 いいね なので、この記事を読まれて小久保工業所製品を使っていらっしゃる方おりましたら、いいねを押してあげてください😢

株式会社アサヒ化成

アサヒ化成社屋

プラスチック製品・日用雑貨の製造販売 オリジナル商品・OEM 制作:株式会社アサヒ化成

1963 年創業、岐阜県郡上市の企業。従業員数は 58 名。

実際の商品についているロゴを見た時は有限会社でしたが、ホームページでは株式会社になっていました。イヒ!の旭化成と同じ名前ですが別の会社です。

本社工場がずいぶん山奥に立地していて、他の企業より不利な感じもします。そんな郡上市ですが、なんと食品サンプル(レストランのショーウインドーにある食べ物見本)発祥の地なんだそうです。アサヒ化成のサイト内にも簡単に紹介ページがありました。

わたしたちの町 郡上市:株式会社アサヒ化成

郡上といえば町に流れる川の水がきれいで、昔ながらの生活をしたり、夏には橋の上から子どもが飛び込んだり…というテレビで見た古き良き時代のイメージしかないので意外な変化球です。

食品サンプルといえば、最近は「イワサキ・ビーアイ」という企業の社内コンクールで作られた製品がバズっていました。

食品サンプル製作技術コンクールを開催しました! | 元祖食品サンプル屋 オフィシャルブログ[NEW]

イワサキ・ビーアイは昭和 7 年に食品サンプル屋として大阪で創業しますが、しだいに東京へ軸足を移していきます。今では東京のかっぱ橋にショールームを持つほどになり、食品サンプルといえばここ!という知名度の企業になっていますが、ここの研究所がなんと郡上にあります。

主要事業所・研究所 | イワサキ・ビーアイ(株式会社岩崎)

研究所の活動はサイトにないのでちょっと分かりませんでしたが、郡上には食品サンプルづくりを楽しめる体験学習コーナーが有りました。レタスの葉っぱとか作れるみたいです。

サンプルビレッジ・いわさき|食品サンプルの岩崎模型製造株式会社

トップページを見ると子供がたくさん写っているので、どちらかと言うと小学生くらい向けっぽいですね。お近くにお住まいの方、連休や夏休みなどを利用して遊びに行ってみてはどうでしょうか。ちょっと面白そうですよ。

商品について

そんな郡上にあるアサヒ化成ですが、取扱商品は残念ながら地方の個人経営の雑貨屋に置いてありそうな物が多いです。昭和の空気を感じるとでもいいましょうか。

ただ、バケツの色合いに見覚えがあるな…と思ったらうちにありました。シルクで買いました。

和泉化成株式会社

和泉化成社屋 和泉化成株式会社| HOME

1967 創業、愛知県一宮市の企業。従業員数が書いてありませんが、社屋を見る限り業界最大手だと思います。

自動車関連の物流センターに隣接した立地で、工場と配送センターが一緒になっているように見えます。駅と高速インターどちらも近いため経営的に強そうです。

商品数も多く、100 均よりホームセンターやニトリに置いてありそうなプラスチック製家具が多いです。そしてなぜか全部微妙にダサい。年配の方向けっぽさを感じるデザインです。商品数が多すぎて、見た目まで手が回っていないんでしょうか。

書類を入れるファスナー付きファイルケースなども作っています。100 均のファイルコーナーに行くと、実は和泉化成製品がすごく多いです。

ナカヤ化学産業株式会社

ナカヤ化学産業株式会社社屋

ナカヤ化学産業(大阪府東大阪市・福井県越前市 プラスチック製品を主体とする生活用品の企画・製造・販売)

1977 創業、東大阪市の企業。従業員数は不明ですが、福井に作った新拠点のページを見ると 60〜70 人は居るように見えます。

商品について

キッチン用品、掃除、お風呂用品が中心です。商品の雰囲気はファンシーなものが多いが、キッチン整理 Mという商品が個人的に当たりでした。雰囲気が無印良品っぽいんです。色違いでデスク整理 Mという商品もあるみたいです。

玩具を見ると虫カゴやぴこぴこハンマー、ゾウさんジョーロなども作っています。ホームページの一覧性が悪くて使いづらいので、中の人これを見ていたら 1 ページあたりの表示件数を 12 件から 50 件くらいまで増やしてください。お願いします。

実際の製品ロゴ

ロゴはこんな感じ。

ナカヤ化学のロゴ

株式会社ヒマラヤ化学工業所

ヒマラヤ化学工業社屋

愛知 ヒマラヤ化学工業所|プラスチック製造,販売,遊戯機器

1948 創業、愛知県あま市の企業。従業員数は 50 人。

取引先企業を見ると、現在 100 均はセリアだけのようです(実際セリア以外では見かけていない)。しかもすべての商品がセリアに出ているわけではなく、ファンシーな花柄のバスケットくらいでした。

他の商品ラインナップを見ていくとどれも昭和っぽく、地方のスーパーやホームセンターに置いてありそうな感じがします。

上で「見かけてない」と書きましたが、家にあった見慣れないカゴをひっくり返したらヒマラヤのロゴがありました。↓ の写真のベージュのカゴでした。いつどこで買ったのか全く覚えてない!10 年以上前からあったような…。恐るべしヒマラヤ。

実際の製品ロゴ

ロゴはこんな感じ。

ヒマラヤ化学工業のロゴ

IPシステム

IT 系っぽい名前のためかホームページが見つかりませんでした。謎の企業です。

お菓子の袋を密封できるシーラーという商品が人気だったり、最近ではセリアで人気のドレッシングボトルもここのだったりします。

Google で商品を探してみると、古臭いカラフル雑貨からセリアに似合うような白系シンプル雑貨まであり、まったくつかみどころがありません。取扱商品に規則性がないので、輸入品の卸屋なのかな?と思っています。

まとめ

実際に調べてみて、100 円ショップの中のメーカーに詳しくなってとても親近感がわきました。どこも普通の町工場だったり工業団地にある 1 工場という感じで、とても身近な存在なんですね。安かろう悪かろうの輸入品ばかりのイメージが強かった 100 均ですが、実は結構ちゃんと企画、設計して、作られた商品が多いのでした。

各メーカーの商品カタログを見て商品を覚えてしまったので、お店に行くと「あのパキッとした色使いはイノマタ」「この花柄はナカヤ」「地味で色気がないからサナダ」とか分かるようになってしまいました。

100 円ショップではダイソーだけちょっと特殊で、メーカー名が入っていなかったり、ラベルを上から貼り付けて製造元が分からないようになっています。場合によっては「大創産業」というロゴが入ったりしています。

ダイソーのロゴ

↑ こういうのですね。何か理由があるんでしょうか?統一感を出すため?気になります。気になりますが、イノマタ製だったりサナダ製も普通に混じっていて、これも分かるようになりました。

ダイソーは製造メーカーを隠して「日本製」とだけ書いてありますが、上記のメーカーや、それ以外の国内の化学、金属加工メーカーだということも分かりました。今まではなんとなく「自称日本製」みたいに見えていて、ホントなのかな…どうなのかな…?と思っていてちょっと気持ち悪かったのですが、これからは安心して買えるようになりました😄

メイド・イン・ジャパン製品は加工の精度だけではなく素材も気を使って作られているので、食品を入れるのも安心です。100 均に行ってみたらぜひ裏側の生産メーカーを見てみてください。そしてお気に入りのメーカーを見つけられると、商品選びがもっと楽しくなりますよ。

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