大人になってから花粉症になりました。認めたくなかったのですが、鼻水はともかく目が痒くなってきたので観念しました。
花粉症を自覚してからは、ちまたで良いとされる対策をいくつか試してきました。甜茶やヨーグルトなど、薬でないものを食べる系はまったく効果がなく、物理的に花粉に触れない方向で改善を進めてきました。
花粉に当たらなければ良いらしい
花粉が飛んでない時期はクシャミ鼻水などの症状が出ないので、物理的に花粉に触れなければ良いわけです。というようなことが、「花粉 症状」などで検索するとたいてい上の方に出てくる会社のサイトに出ていました。
協和発酵キリンという製薬会社で、もともとは協和醗酵工業という名前だったのが、キリンビールのキリンホールディングスに合併され、発酵したキリンみたいな名前になったようです。
このサイトにある内容を簡単にまとめると、こんな感じでした。
- 外に出ない
- 外に出るならメガネやマスクで完全防備
- 家に花粉を入れない
- 窓を開けない
- 布団も干さない
- 掃除をする
- 空気清浄機
大前提として「花粉に触れない(特に粘膜)」があり、「家の中に極力持ち込まない」努力をし、持ち込んでしまったものには「全力で排除する」という戦略でした。
花粉に触れない(特に粘膜)
僕は目と鼻が花粉に反応します。人によっては「口がかゆくなる」という症状もあるそうですが、そこまでひどい花粉症ではないので目と鼻からの侵入だけを防いでいます。
目の防御
まず目。僕はメガネマンなので特にすることはありませんでした。コンタクトはしないので花粉用メガネが付けられないんですよね…。ところが嬉しいことに、普通のメガネでも1/3程度まで減らせるそうなのです。
参考: 保健室だよりVOL.8| 広島工大について| 広島工業大学
zoffの花粉対策メガネのページを見ていたら、そちらは2/3程度まで減らせると書いてありました。JINSを見ると最大98%までカットと強気に書いてありましたが、ちょっとそれはやりすぎなんじゃないかなと思いました。
度入りの花粉対策メガネも作れるそうですが、外に出るたびに付け替えるのも面倒くさいし、痒くなったら目薬で我慢するわと思っているので、今のところは普通のメガネで過ごしています。
目のかゆみ対策
目が痒くなった場合は市販の目薬を使っています。500円くらいで買えて、そこそこ効果があります。
うちの奥さんも同じく花粉症で、そちらは耳鼻科で処方してもらった目薬を使っていました。「ザジテン」という目薬だそうです。
こちらの方が効果があるそうですが、刺激が強いのか目に染みるらしく、最近アルガードに移行していました。アルガードの表記シールの所をよく見ると「しみない」と書いてあったので、よくある花粉用目薬はしみるものが多いのかもしれません。
処方されたザジテンの新品が出てきたので、借りて使ってみました。目にさした後、一呼吸おいてからジリジリジリ…と染みてきました。我慢できるレベルだけどどうなんでしょ。
次に鼻
鼻はごく普通にマスクで防御します。マスクは色んな種類が出ていますが、最近は冒頭の写真のような「ピッタマスク」という変なマスクが気に入ってます。1袋に3枚入りです。
一般的なマスクは不織布ですが、これはポリウレタン製でした。素材名を聞いてもピンとこないんですが、低反発クッションなどが「ウレタンフォーム」というよく似た名前で、あんな感じのスポンジのような素材です。柔らかくてよく伸びます。
このマスクの良い所は「洗って何度も使える」のと、「耳が痛くならない」という点です。説明書には「3回洗っても効果はほとんど落ちない」と書いてあり、実際のところ何回まで使えるのかよくわからないんですが、洗濯ネットに入れて5回くらい洗濯した様子だとまだまだ使えそうです。
あと、耳が痛くならない所は強調しておきたいです。マスクの紐が細いと、耳にかけてる部分がよく痛くなりますよね?痛み対策として幅広の紐(というか布)にしている商品もありますが、ピッタマスクも幅広+やわらか素材なので全く痛くならないです。それでいて顔にぴったりフィットするのでとても良い。呼吸も楽です。
そんな万能マスクですが、1つだけ欠点があります。「白をしばらく使うと黄色になる」という謎仕様で、白マスクの方のAmazonのレビューに分かりやすい写真が載っていました。
Amazon.co.jp: ピッタマスク(PITTA MASK) SMALL 3枚入の 染谷 勤さんのレビュー
かなり黄色くなるようです。しかも「数回使用しただけでこうなってしまった」というレビューもあり、漂白剤も効かないようなので、白を買う方は毎週交換するくらいの気持ちでいたほうが良いのかもしれません。
簡単に計算すると、花粉の時期が2〜4月の3ヶ月として、12週あるとすれば、4袋買えばワンシーズンやりすごせる計算になります。1袋500円くらいで買えるので、ワンシーズンのマスク代1500円くらいと考えれば、ちょっといい使い捨てマスクを買い続けるのとあまり変わらないかもな?と思いました。
ちなみに、僕は男なので遠慮なく黒(表記はグレー)を使っています。”はたけカカシ”みたいでかっこいいですよね。よね?
ピッタマスクが黄色になるのを防ぐ方法
ちょっと調べてみましたが、なさそうです。原因はポリウレタンという素材自体の劣化だそうで、熱だったり、紫外線だったり、水分や酸素など、いろんなものが劣化の原因になるそうです。
そのうち、黄変に関係しそうなものに「紫外線」がありますが、これは屋外だけでなく、室内の蛍光灯からも放射されており、暗い場所で保管する以外に防ぐ方法がなさそうなのです。花粉対策でマスクする=外に出る、という状況なので、使えば使うほど黄色くなってしまいます。
ただ、見た目は変わってしまうけど性能は落ちていないようなので、黄色を気にしなければ使い続けることは可能みたいです。
この太陽光線による変色は、ポリウレタンフォーム中の高分子鎖の一部が、発色しやすい高分子鎖に変化するためと考えられます。従って、高分子鎖の切断とは異なるので、変色が直ちに物性上の劣化にはつながらないと考えられます。
軟質ポリウレタンフォームは、太陽光線で変色しても性能は変わりませんか?|日本ウレタン工業協会
検索していたらポリウレタンの劣化についての論文も出てきてしまったのですが、読んでみて「なるほど、わからん」という感想でした。
ポリウレタンの劣化と安定化 – J-STAGE
ポリウレタンは「PU」と略されることが多いのですが、スマホケースなどで「TPUケース」という表記を見たことがある方もいると思います。あれもポリウレタンの一種で、やはり黄変するようです。
700円くらいの安い透明ビニールケースなんかがTPUケースなんですが、あれを使い続けていると黄色くなります。色付きだと変化がわからないので、黄変が気になる場合はスマホケースもマスクも色付きを選んだほうが良いのかもしれません。
そんな紫外線について、スキンケアの観点から書いた記事もあるので、良かったらご笑覧ください。
鼻にワセリンを塗る
以前、近所の薬局でこういう商品を見つけて買ってきました。
5gで1,000円近くしましたが、素材に書いてあった「精製長鎖炭化水素」ってワセリンの事だったようで、使い切った後は家にあった大きなワセリンで代用しています。鼻の周りと、綿棒で鼻の穴の中に塗ってます。
ワセリンとの違いは粘度のようで、アレルシャットの方が人体で溶けにくく4時間ほど粘度を維持するそうです。ほ、ほう…、ワセリンも4時間くらいついてる気がするけど…?
ちなみに、皮膚科で処方される「プロペト」という軟膏もワセリンの一種で、というか白色ワセリンというそのまんまな名前で、あちらは粘度が低くよく伸びます。ハンドクリーム代わりにたまに使ったりしてます。
家の中に極力持ち込まない
家に花粉を入れなければくしゃみは出ません。そして花粉の入り込む場所といえば玄関と窓です。花粉シーズンだけでもこの2箇所を押さえていれば、家の中の生活がぐっと楽になります。
玄関先に空気清浄機
今までは外から帰ってきた時に、玄関先で衣類をパタパタとはたいていました。が、なんか落としきれていない気がしていました。あと、宅急便を受け取るたびにムズムズするんですよね…。
玄関にも空気清浄機が必要そうだな、そもそも花粉用空気清浄機ってあるのかな?と検索したらありました。すごいピンポイントな商品!速攻で買って玄関に設置しました。結構大きくて、傘立てくらいの圧迫感があります。謎の安心感もあります。
この機械のどの辺が花粉専用かというと、「脱臭フィルターが無い代わりに集塵フィルターが分厚い」「吸い込み口が縦長で、そばに立つ人間から吸う気満々」「強弱設定のみ、強だと遠慮のない爆音」「人感センサー付き」あたりでしょうか。加湿とかインテリア性とかマイナスイオンとかがない代わりに、花粉吸引に性能を全振りしています。
気に入っているのが人感センサーで、近づくと勝手に吸い始めます。しかも強弱設定が選べず、センサー作動時は「強」で動作します。花粉シーズン前に設置した時は「音も大きいし仰々しいかな…」と思っていたのですが、花粉真っ只中になると「いいぞもっとやれ!」という気持ちになり、宅急便などの受け取り時に横で「バォォォォーーーッ!」と鳴っていても、むしろ誇らしげな気さえしてきます。
フィルターは一般的な利用で2年は持つそうですが、うちは春先しか使わないのでもう少し持つような気がします。
窓にフィルターを貼る
たまには換気したくなるので、たまには窓を開けます。今までは花粉が少ないとされる夜に開けていましたが、窓に貼れる花粉用フィルターを見つけたので張ってみました。
換気扇に貼るフィルターみたいなもので、こちらは網戸の外側に両面テープで貼り付けます。風の通りは悪くなるので暑い時期はあんまり使いたくないのですが、花粉の間だけなら特に問題なしです。安心して窓を開けられるので気持ちいいですね。
1袋で100x200cmの大きさがあるので、大きい網戸1枚分です。うちは窓の上の方に換気用の小さい窓がついているので、そこだけに使っています。
顔から持ち込まない
あやしげなスプレーですが、資生堂が出してるから…ということで使ってみて、効果があった!というレビューがAmazonにたくさんありました。気になったので僕も買ってみました。
パッケージには天然温泉水とかなんか色々書いてありますが、要は静電気防止スプレーの顔バージョンでした。
アレルスクリーンのパッケージに「特許取得!」と書いてあるのでそちらも見てみると、発明の名称が「花粉吸着防止剤」になっています。出願してたのは10年以上も前だったんですね。
特許第4562585号 特願2005-144770(←が開かないのでキャッシュ)
パッケージにも「反発イオン技術」と書かれており、皮膚の帯電を防ぐことで花粉とかホコリの吸着を防いでいるみたいです。そんなガンガン跳ね返すようなものではなさそうですが。
うちにあった古いエレガードの説明も読んでみると、静電気防止の他に「ホコリの吸着も防ぐ」とあるんですね。これを皮膚、デリケートな粘膜のある顔に使えるように調整したものがアレルスクリーンのようです。
帯電防止剤について調べてみると、こういった簡易な説明図が見つかりました。イメージ的にはこんな感じだそうです。
繊維用帯電防止剤|日新化学研究所
服から持ち込まない
ファッションより花粉をなんとかしたい、と思っているので、遠慮なくツルツルの服を着ています。だいたいウインドブレーカーを着てますね。玄関先ではたきやすいので。
ウールとかフリースなどホコリが付きやすい服を着たい場合は、上にあるようにエレガードなどを使っておくと良いです。
家の中に入ってしまった花粉を全力で排除する
上記のような対策をしていますが、どうしても花粉は入ってきてしまいます。そうなってしまったら排除するしかないので、顔にアレルスクリーンを吹いて、花粉フィルターがついている窓を開けて、換気扇を回して、家にある空気清浄機をフル稼働させて、掃除機とクイックルワイパーをかけて、ソファとかはコロコロをかけて、と普通に掃除してます。
普通に掃除してますが、上記までにやれることをやっていて、これがなかなか地味に効いているようで、室内でのムズムズがだいぶ減りました。花粉対策の複合技というか、集大成感があります。
空気清浄機は室内用に安いやつも買い足しました。掃除機でも愛用しているツインバード製です。
Amazonで空気清浄機を検索すると、上記製品のシルバーカラーだけが出てしまいます。ツインバードが安いし性能も安心できるから欲しいけど、シルバーはちょっと…と検索してたら出てきました。
シルバーとの違いは「マイナスイオンが出ない」という部分だけのようで、僕はマイナスイオンを信用していないので、余計な機能がついてなくて良いなと思った瞬間に購入していました。
まとめ
花粉って目に見えないので対策が大変ですが、目鼻の症状から逆算して考えるとやれることが見えてきますね。
上に出した対策のうちどれが良いか?と振り返ってみると、どれも単発だと効果が弱いんです。マスクを良くしても家の中でムズムズするし、空気清浄機を置いても外出時は意味ないんですよね。
なので、予算があればシーズン前に準備をしておいたほうが気分的に楽だ、という結論になりました。それでも…という場合は、小さいワセリンだけ買って鼻に塗っておくと良いのですが、実はリップクリームの成分もだいたいワセリンだったりするので、買うのが面倒な場合はリップを鼻の穴に突っ込むだけでも良いことになります。