子供のご飯に困ったときは、とりあえずアンパンマンカレーを食べさせてました。パッケージに「7種類の野菜入り」と書いてあって、レトルトだけどちょっとだけ罪悪感が薄れるんです。
これを使ってるということは、お子さま野菜嫌いじゃないですか?どうですか?幼児の野菜摂取量、カバーできそうですか?
結論: トッピングで強化するといいぞ!
アンパンマンカレーには、下の写真のように野菜がいくつか入っています。
- 炒め玉ねぎ(国内製造)
- じゃがいも
- 人参
- (砂糖、豚肉)
- トマトペースト
- (食塩、ポークエキス、酵母エキス)
- かぼちゃペースト
- ほうれん草ペースト
- ブロッコリーペースト
パッケージの右上と、原材料名の両方に書いてあります。特に原材料の方に注目すると、ペースト系は砂糖や塩の後ろに書いてあるので、味を整える程度にしか入ってない気がします…。しかも強く主張したくなかったのか、最後にひっそりとにんにくも入っています。これは香り付けっぽいですね。
野菜が入ってるには入ってるんですが、主に「たまねぎ・人参・じゃがいも」だと思います。
野菜を摂る目的とは?
何のために野菜を摂るのか?まずは食物繊維のためです。主に腸のお掃除が目的ですね。
食物繊維は胃腸で消化されずそのまま出てくるので、腸管内の掃除の役割も持っており、ある程度の量を食べる必要があります。
もう一つはビタミンです。体を動かすエネルギーは炭水化物ですが、これは主食(パン・ご飯)で摂ります。体を成長させるタンパク質は主菜(肉・魚・豆腐など)で摂ります。体の調子を整えるビタミンは、副菜である野菜や、果物から摂ります…というような内容は、保健所などでもらえる資料にも書いてあると思います。僕は厚生労働省の資料を参考にしました。
「食事バランスガイド」について|厚生労働省
野菜を食べる目的はなんとなくわかります。昔から赤い食べ物、緑の食べ物とか呼んだりしてて、緑の食べ物(野菜)をもっと食べようねって言われてました。では量はどうなんでしょうか?
乳児・小児の摂取量は不明…!
大人だと「野菜一日400g」などといった目安があったりしますが、なんと子供にはありませんでした。ちょっとびっくりしたんですが、「生まれて間もない子供を測定の実験に付き合わせるのが難しい」などの理由で、具体的な数値が出てないようです。
2.乳児
推定平均必要量や推奨量を決定するための実験はできない。
3.小児
食事摂取基準の策定に有用な研究で小児を対象としたものは少ない。そこで、十分な資料が存在しない場合には、外挿方法の基本的な考え方(『Ⅰ総論、3.策定の留意事項』の 3─5 を参照)で示した外挿方法を用いて、成人の値から推定した。耐容上限量に関しては、情報が乏しく、算定できないものが多かった。しかし、これは、多量に摂取しても健康障害が生じないことを保証するものではない。
2 乳児・小児 – 厚生労働省
成人と体重を比較して推定量を決めてるんですね。ただ、完璧に正しいかどうかはわからないので、大量摂取はちょっと勘弁してね…とも書いてあります。
じゃあどうやって健康状態を見るかというと、成長曲線に収まっているかとか、定期検診で問診したりとか、意外とアナログな方法で行うようです。
エネルギーとかビタミンの量
アンパンマンカレーのルー1袋で 32kcal
のエネルギーがあります。
一緒に食べるご飯が80gだとして、130kcal
のエネルギーがあります。
もし1食がこれだけだったとして、約160kcal
摂れることになります。
ところで、1〜2歳の推定エネルギー必要量は、上の厚生労働省の資料によると 900〜950kcal
となっています。(362ページの表)
全然足りねぇ!
3食アンパンマンカレーにしても足りねぇ! 同資料にはビタミンAとか鉄とかも細かく 3.0mg/日
とか書いてありますが、正直エネルギー量くらいしかわからねぇ!それにしても足りねぇ!
2歳とか3歳って一食分は少なくてもちょいちょい間食するので、そういう補食でおぎなってねという感じでしょうか。
間食はお菓子しか食べないし、お食事では米しか食べない
わかります。逆のパターンの子もいますし、どっちも食べない子もいますよね。どっちも食べないのに体がどんどん大きくなっていった子もいて、正直子供の栄養ってよくわからんな、成長曲線に入ってて見た目健康そうで定期検診で引っかからなければ別にいいな、って気持ちにさせてくれます。
とりあえずお菓子でカロリー(炭水化物、脂質)を稼ぐとして、せめてお食事ではビタミン、食物繊維を摂りたいです。どうすればいいか? みじん切りかペーストにして混ぜればいいんです。
上から弱中強の順に並んでます。好き嫌いの強い子には強いフープロでペースト化、そうでもない子はみじん切りカッターで雑に切ってアンパンマンカレーの具に混ぜると、たいてい気づかずに食べてくれます。
入れる野菜は保健所でもらった資料を参考にして、足りなそうな物を買ってきましょう。クタクタに茹でてペーストにすれば、ビタミンも食物繊維も取れます。入れすぎるとバレるので、ほどほどな量に抑えるのがコツです。ほどほどな量におさえつつ複数の野菜を使うことで、バランスの悪さや栄養の抜け漏れを防ぐことができます。
また、アンパンマンカレーを使う場合はたまねぎ人参じゃがいもはすでに入っているので、それ意外がよさそうですね。豆とかキノコとか。
まとめ: アンパンマンカレーは触媒でした
触媒とは化学反応の速度を速める物質なんですが、つまるところアンパンマンカレーは触媒でした。それ自身にはほどほどの栄養素を持ちつつも、アンパンマンというキャラクター、冷えててもなぜか食べてくれる味付け、ご飯との相性の良さ、アレルゲンを含まない使い勝手の良さ。その触媒に別の栄養素を足すことで、子供的な完全食を作ることができます。
また、残してしまったカレーは離乳食後期でもおせわになる「おやき」の形にすれば、翌日にでも消費してくれます。
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ここにチーズ(タンパク質・脂質)を足したり、片栗粉(炭水化物)を足したりすれば、さらに栄養素アップ!アンパンマンカレーをベースに、なかなか食べてくれない野菜をちょっとずつ混ぜ込んでいきましょう。